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父の背中


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父とは時々会ってお酒を飲んだり、時々出かけたりしている。
先日は私がペーパードライバーなので教官をつとめてもらった。
かなり厳しくて、褒められて育つタイプの私はちょっとへこたれた...。


私がまだ高校生の頃、父はいきなり会社を辞めて旅人になった。
その当時、サラリーマンで重役にいたのに辞めてしまった。
約一年分の私の為の養育費をおさめて、長い間きっと、父の夢だった世界の旅へ。
当時父は40代前半。

私にとってそれは衝撃的だった。でも行ってしまえばそれも自然の流れになってしまって、高校生の私は自分の生活の方に重きを置いて、「父の生活は父の生活だ」と、若さ故の柔軟性で日々にとけ込んでしまった。時々父からのたよりが届いて世界の空気を想像していた。私は私で身の回りの事がずっと大事になっていた。

父が一年くらいの旅から帰って来たら、頭は真っ白な白髪になっていて浦島太郎みたいでびっくりしてしまった。
高校生の私は、サラリーマンだった父が毛染めをしていた事に気がつかなかった。

しかし帰って来た父はなんだかすっきりした様子で、夢を達成した人独特の空気をまとっていたような気がする。

まだ幼かった私は、そんな父を「変な人だなー」って思う半面、何か嬉しかった。
「いくつになってもやりたい事はやるんだよ。」と体で表現している、父が。

父は今でも毎日サーフィンをしたりしていて、楽しく暮らしている。
老後にバリ島隣のロンボクに住む計画が進行しているらしいので、早くそっちに行ってくれないかと私は思う。
だって私も遊びに行けるからね!


そして高校時代から十数年後、私は今もその空気を継いでいるんだな...。
血は争えないね。

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