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旅のはなし

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いつの頃からか分からないけど、ゆっくりと旅をしながら写真を撮る事が夢だった。
その夢を実現出来たのが28歳くらいのとき。
この時の旅は今の自分の判断基準を決めているように思う。

ひとりでの旅だったので、無謀ながらも全てを受け入れて、みぎひだりを決断する力を得たような気がする。


一人旅の最初の地に選んだのがペルー。
今考えてもかなりハードな場所を選んだものだ。
でもその時は絶対にそこだったのだよなー。
その旅はその後7ヶ月に渡った。

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確か28歳のときに29歳の誕生日までには夢を実現するぞ!
と思ってそれまでの生活を暮らしていたように思う。実際29歳の誕生日を南米で迎えたとき、ちょうどカーニバルのシーズンで皆がお祝いしてくれたのは本当に涙が出た。
地球の裏側の見ず知らずの人々が踊って、演奏して、抱き合って、たくさんのキスをしてくれる事は私にとって新たに「産まれた!」って感じの初めての祝福だったように思う。


これには沢木耕太郎さん「深夜特急」の影響は強いかも。沢木さんは確か26歳位に長い旅に出ていて、あの本をその後時間を空けて書いている。

それにしても当時はまだ世界は今のように近く無かったから、本当にすごいと思う。
私が25歳くらいのときにはやっぱり「深夜特急」がかなりのプレッシャーになっていた。「私はまだ何もしていない...」って。
私の旅は20代の後半にはなっていたけれど、自分のやりたい事をそのときに出来た時が私自身のタイミングだったのだと思う。

それまでもお金を貯める為だけには生活をしたくないので、やっぱり好きな仕事しかしなかった。「だから旅に出る為に働く」という感覚ではな無くて、「全力で取り組んでいたら旅に出る気力も体力もついた(資金も貯まった)」っていう感じ。何にせよ中途半端はつまらないと思う。惰性とかは妥協はなんか嫌だ。


でもやっぱりそういう気持ちを持ち続けていると、たくさんの人が応援してくれる事がとてもありがたく、心おきなく旅立てたのが今でも大事な記憶として残っている。
そしてその旅を終えた後に初めての個展をAtelier Kikaで開催した。

今も、これからも、そういう人たちの温かい気持ちは大切にして行きたいと思うし
積み重ねて来た時間や、想いや、出会いが今の私の制作の根源になっています。


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