旅日記。

山古志ハッピーくん

山古志4.jpg
新潟のお祭りから帰って来ました。
短い期間だったのに、これは海外に行くのと同じ位のカルチャーショック。
人間と自然、動物との調和を感じた旅でした。
改めて私は人間の生活、美しい営みを撮りたいのだと思いました。
いつも海外の旅では「ひとりウルルン滞在記」。
それから「ひとり世界ふしぎ発見」。
または懐かしいところで「ひとりなるほど・ザ・ワールド」。
って感じでしたが日本も全然変わらなかった。
以前新潟の大震災で大きな被害にあった旧山古志村(現在は長岡市)。
友人のお誘いで種苧原(たねすはら)地区でのお祭りに行って来ました。
ここでは錦鯉が有名だったし、牛の角突き(闘牛のようなもの)は伝統として残って来たのでそれを守ってゆく人々の絆を肌で感じた旅です。
山古志.jpg山古志3.jpg
初日はその「牛の角突き」のお祭りへ。空に寄付金の半紙がはためいています。
牛は戦う為だけに飼育されているそうです。
これは大迫力。男達と牛のかっこいいこと。
最後まで戦わせる事はしないところが人間と牛の絆です。
ある程度戦わせたところで、人間達が足に紐をかけたり角を掴んだり、鼻っ柱を押さえたりして牛を引き離します。この一瞬の呼吸も見どころです。
こういうものは絶対に守らなくてはいけないでしょう。村人のその気持が伝わって来ました。
山古志1.jpg山古志2.jpg
大きくて怖いんだけど本当は優しい目をしている牛さん達。
名前も実は可愛くて山古志ハッピーくんとか、魚沼まもる君とか。
戦う時の目と普段の目が全然違います。
かなり近くで見る事が出来て、ずっとシャッターを押していました。
どこにいても逃したくないものがあります。

日本の旅。

japan0.jpg
去年の今頃はbasqueに行っていたなーって、夢のようだったとおもう。
美しい海とおいしい食事。素材との出会い、バル巡りもしたっけ。
今年は首にGがかかるのと気圧の変化を恐れて長時間飛行の旅は断念。
元気なんだけど、気圧が怖くなった。今年は台風が少ないのに前回の台風で首がズドーンと重くなり気分が悪くなった。
よく「雨の日にどこそこが痛い」っておばあちゃんとか年配の方に聞いていたので、「この事かー」と理解した(まだおばあじゃ無いのに...)。今夏は雨が少ないからなんとかなっているけど、台風と雨は怖くなった。体ってすごい。気圧まで影響を受けるとは。体は流動しているのだな。
でも旅熱はおさまらず、というか、写真を撮れなかったり出会えなかったり素材を探せなかったりする事を残念に思っていた。旅は私の大切な仕事だからそれができない事にも落ち込む。でも今年は写真をがんばろうと決めているので目の前の出来る事からやっている。
そんな折、友人が新潟への旅に誘ってくれた。
新潟の山古志村に田んぼを借りているその友人は、いつも田植えなどに誘ってくれていたのだけど、やっとタイミングがあって行ける事になった。
その村祭りに今日の夜から行ってくる。
日本は海外に行く前にいろいろ旅をした。私は日本人なので日本が拠点。
でもその延長として海外があると思っているので、特に区別はしていない。
けど今年は日本なんだろう。
祭りと村、素朴な空気と普通の生活。私がいつも旅に求めている時間。
写真を撮りに行って来ます。

損か得か?

peru1.jpg
元気が無いときでも友人にあうと、「元気そうだね〜!」と良く言われる。
食べるのが好きだから痩せないし、おでこは出ていてつるっと光っているから、元気に見えるらしい。
これは良い事なのだろうか?
いつも元気でいたいけど、少し弱い人には憧れる。
この人を助けてあげなきゃって、思われたのは事故にあってから。
そして友だちの美しいあったかな気持に元気づけられる日々。
いつも元気にしていたいのは当然。
人に助けてもらおうなんて、全然思わないけど、元気そうだからお願い!って仕事を頼んでくる人々が大好きだ。
結果、私は得な人間だと思いたい。
写真はペルー、マチュピチュのふもとで泊まった宿に居たインコちゃん。
この子はロビーに放し飼いにされていて、ずっとスペイン語で話しかけて来た。
わたしはずっと日本語で話しかけていた。
この子からも大切なメッセージは受けとっていた。だから君を撮ったのだよ。

旅のこと

ask.jpgslow.jpg
写真は北アイルランドでの写真。
昔、長い旅に出て北アイルランドのportrushと言う町が気に入って約1ヶ月ぐらいアルバイトをして生活していた時のもの。
初めは単純な理由でアイリッシュパブでギネスを飲みたい...。
それからW.Bイエイツの妖精物語に神秘的な空気を感じての旅だったと思う。
全部で約8ヶ月くらいの旅で、北アイルランドは3カ国目くらい。
旅に出ると決めたのは20代後半。「写真を撮って旅をする!」って10代からずっと夢見ていた。
資金も精神力もやっとついたのがそのとき。
あのとき旅に出て本当に良かったと、今でも思う。
当時はユーロもポンドも高くて、まだ旅を続けたいのにどんどんお金がなくなってしまい、働こう!ってひらめいた。
旅を続ける為の知恵で。
その町全部のお店に「働かせてください!」って頼んで回った事を懐かしく思う。
portrushが気に入ったのは海辺の美しい町だったから。
私は海辺で育ったから、やっぱりそう言う町を求めていたのだと思う。
20件目位でようやく働き口が見つかって、優しい人が宿も提供してくれた。
旅に出る前に、地元のインド料理店でバイトしていたのがよかった。
アイルランドなのに初めはインド料理のお店で働いていて、ヒンディー語の「数」がすぐに理解できて気に入られた。「何々ひとつー!とか、ふたつー!」は「エーク、ラガード!ドー,ラガード!!ダンニャワード!」とか。
でもそこは深夜勤務だったので退職。
今度は近くの昼間勤務のカフェで雇われる事に...。
毎日美しい海が見渡せるカフェで、一生懸命に働いていたらだんだん信用されて厨房は私ひとりに任された。そして物価が高い分時給も上がって、少しだけど貯金が出来るほどになった。
そこの料理長が次に何をするのかがすぐに分かって、ひそかに仕込みをしておいたりしたらすごく感動されたり、日本人特有の繊細さで掃除をしていたりしたら思いがけずボーナスを貰えたりした。
片田舎の小さなお店では、多少の間違いは分からない様子で、私の適当な料理はバイトの女の子からも普通になっていった。(私は英語が出来ないのでほぼジェスチャー...。)
「pancake pleaaase!fish and chips pllease!」とか言われて、笑い合いながらの生活が板についた頃、私はふと、「これからどうしたいんだろう?」って疑問を持ってしまった。この気持ちのよい状況から次に進まなきゃって自然と考えていたのだと思う。いつも緩やかな生活から抜け出すのは難しい。
楽だから、そのままでも良かったと思う。でも体と心は次の旅に進んで行くぞって動いていた。どうしてそうなんだか分からない。でもなんか進みたい気持ち
旅の醍醐味はその時の素直な気持ちがダイレクトに感じられること。
五感が鋭くなるような気がするし、時間の感覚が全然違う。
そしてその感覚はずっと体に刻まれて行く様な気がする。
そこで、働き口からの帰り道歩いていて見つめた景色がこの写真。
「SLOW」
そしてゆっくりと振り返ってみたらあった景色。
「1st Ask God」
私にとって写真はこういう事なのです。
わたしはそっとそれを掬い上げたい。
「ゆっくり行けよ、神のみぞ知る」ってことだったのかな。
私にとって旅は作る源。
写真は旅をする事で始まったのではなくて、心の中というか、部屋を撮っていたら外はどうなんだ?と思って自然と外に出てしまって、外に出てみたら流れで海の外にも出てしまって、そこにいる人や風景と関わってしまったという感じ。
そこにどんな意味があるのかは分からないんだけど、それを感じて共鳴してくれる人がいて嬉しい。
私の写真がモノクロなのは、その人の想像する余地があるからかもしれない。
自分だけではない、お互いの色が。

大島椿

大島の人がみんなすごく暖かくて、お惣菜をたくさんおまけしてもらったりしてなごむ。
椿油で有名な大島。お土産屋さんでまた優しい人にあった。
椿の花びら染めについて興味があったのでいろいろ聞いていたら、なんと染料を分けていただいた。
染め方についても詳しく教えてくださってありがたい。
新島1.jpg
椿は冬の間に咲くので今は時期ではなく、花びらから抽出された液を冷蔵庫に保存しておくのだそう。そんな貴重な液をペットボトルにいただいたのでこれから染めようと思う。
夏の素材は染まりにくいので、秋口に使うシルクの毛糸にしようかな。
媒染によって色が変化するので、楽しみ。ピンクなんだけど、グレーっぽくも出来るらしく、実験みたいでいいな。
渋い色になると良いなーと思う。
こうした旅の出会いがまた、編み込まれてゆきます。