日々のこと。

素材のはなし

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かわいくて、大切に大切に使っている素材たち。
子供の頃に宝石箱に憧れたけど、大人になった私の宝箱はこんな素敵な素材がいっぱいです。どんな高価な宝石にも負けない貴いものたちです。
出番をいつも待っていてくれて、ここぞというタイミングで登場してくれます。
「はーい!わたし、わたし。私をこの子につかってねー」って帽子に寄り添ってくれます。
お願いして作ってもらったものや、作家さんがプレゼントしてくれたもの、私がお店で選んだもの、海外から探してきたものなど様々です。
わたしの所にやってきてくれてありがとう。
そして、今日も誰かのもとに旅立ってゆきます。
ひとつひとつ、作り手の心がこもっているので、本当に大切にしています。
よく聞かれる「ひとつの帽子を作るのにどれくらいの時間がかかるのですか?」、単純な質問なのですが、素材を選んだり、紡いだり、染めたり、焼いたり、削ったり、形作ったり。すべての人のそれぞれの時間を考えたら全く途方も無いほど、そこには時間がかかっています。
だからこの仕事は私だけの仕事ではありません。積み重なった時間と私が出会った人と、これから出会う人を待つってそれだけで夢があります。
ガラスのパーツはガラス作家、仲良し詫摩まりさん。
パハローの鳥さんはおなじみhikiちゃん。
お花、陶器のボタンは大人気つちやまりさん。
茅ケ崎のアーティスト、ナスマサタカさんのボタンもよく登場します。
いつも個展をしているアトリエキカのとなりの大胡さんにも可愛い動物のボタンを作ってもらいました。素敵なおじさまなんですが、こんなに可愛いものを!
kissaniちゃんには手織りのくるみボタンを。冬の帽子とぴったり!
それ以外にも毛糸は七字良枝さんのきれいな色のもよく使いますし、先日出会った岡山のト・プローヴァトさんの毛糸も続々と登場していますよ!
なんて恵まれた出会いでしょうか。そして好きな人の素材が皆さんとも出会うなんて、なんて楽しい事でしょうか。贅沢すぎて出会いに感謝せずにはいられません。
これから出会う人、どんどんコラ帽して行きたいですし、なんだかワクワクします。
帽子をかぶってくれる人にもこのワクワクが伝わったら幸せに思います。
いつも皆さんありがとう!これからもよろしくね!

ある雨の日に

冷たい雨の日。鎌倉は静か。
そんな日に岡山からお客様がいらしてくれました。
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最近はみちこさん美穂子さんから岡山の話しを聞いたばかりで、すごく行きたいと思っていた矢先だったのでなんだか不思議なご縁を感じた。
話しを聞いていると、彼女は毛糸を紡ぐ人で、刈った羊の毛を洗うところから始めて、じっくりと紡いでいるという。今回はイベントの為にこちらに来ていて、帰りにパハロに寄ってくださった。
岡山で染色をしている彼女の知人にパハロのことを教えてもらってここまでたどり着いてくれた。岡山でもこの場所を知っている方がいらしたのも嬉しいし、彼女がそんな冷たい雨の日にわざわざ足を運んでくれたのもありがたい。
毛糸を紡いでいて、編み物もされるというのに、帽子をひとつ選んでいただいた。わたしも彼女の紡ぐ毛糸が見たくて雨の中、車に積んである毛糸を見せてもらい、いくつか分けて頂いた。
結局物物交換のような形になったのだけど、ものを作るもの同士のこういう出会い、なんて豊かなんだろう。わたしの作る帽子にはこういう出会いもたくさん編み込まれているんだな、と改めて思います。
大切に大切に使いますね。いつか来る岡山への旅の折、また再会出来ると思います。

CANVAS&CLOTH in CLASSICO

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印刷物に自分の顔が。すでに知っている方も多く、最近よく声をかけられますがいろんなところに配られているようで不思議であり、恐縮してしまいます。
こちらは私も愛用しているCANVAS&CLOTHの谷中CLASSICOさんでの展示のご案内。
いつもCANVAS&CLOTHのDMには知り合いがモデルをしている事が多いのです。生活に密着している洋服だし、その目線がとても自然です。
しかし私こんなにカメラ目線で良いのだろうか?って何度も聞いたのですが、彼女のイメージがこの写真だったようです。かぶっていた帽子をとって、結わえていた髪をほどいて。いつも撮る側で、撮られるのには慣れていないのですが、彼女だから撮れる写真です。
CANVAS&CLOTHでは写真を展示したり、一緒に仕事をする事も多く、大切な仲間。
その丁寧な仕事にはいつも尊敬してしまいます。
次回の展示では新色や新しい型も増えるそうで楽しみです。
辻堂アトリエショップでも随時注文は受けているそうなので、こちらにも是非。
CLASSICO(谷中)
2013・11/2(土)・3(日)・4(月)
12:00〜19:00

おめで隊のおめでたい。

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最近は立て続けに撮影される側になりました。撮る事には慣れていても、撮られる事には慣れていません。ちょっと緊張。
先日の「おめで隊」でのお仕事が10月10日(木)の朝日新聞(神奈川版)に掲載されました。新聞を開いて自分も含めた知った顔があるって驚きます。
おめで隊の活動がこうしてみなさまにも知って頂けるのはありがたい事ですし、それぞれの大切な事を持ち寄って、誰かの笑顔につながるって本当に幸せな仕事です。
これからも「おめで隊」をよろしくお願いいたします!

手仕事

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奄美大島で染めてきた毛糸はやっと玉になって出番を待っています。
そして徐々にですが帽子が出来上がってきました。大地そのもののような力強さと、包み込むような優しさに満ちています。
奄美の工房では毛糸を染めて、帽子を作ると言ったら驚かれました。あまりそう言う人はいないようで、工房の主さんは何度も「帽子は良いねー、聞いた事無いねー」とつぶやいていました。
染めてみてどうしてだかよくわかったのは、毛糸は染まりにくいのです。元々の大島紬の糸を染めていたものなので、動物の毛の油分は染料をはじいてしまうのです。
なので同じ行程を何度も何度も繰り返してやっと染まったのが、今回の毛糸です。
工房の社長さんには「今度はもっとたくさん持ってきて、毎日染めにきたら良いよー」、と言ってもらったので、今度はもっと滞在を長くしようかな。頑張る私の姿を見て、社長さんはお昼にサンドイッチを買ってきてくれました。奄美の人は暖かいです。
心地よい疲れのお昼休み、工房でサンドイッチをほおばりながらぼんやり出来上がる帽子に思いを馳せていました。
カメラも持って行ったので、工房でモノクロ写真を撮影してきました。こちらもじっくり作業します。職人さん達の技と歴史がその空気を作ってきたのでしょう。あそこの空気を焼き付けたいと思いました。写真はそれが出来るから好きです。
「写真と帽子どちらが本業ですか?」と、よく聞かれます。「どちらも本業です」と答えますが、あまり仕事に区別をつけていません。
1番と2番を決める事は出来ませんし、どちらもがつながって、どんどん違う形になってゆく。もともとは写真を勉強した私ですが、まさかこんな風に旅先で職人さん達に混ざって毛糸を染めているなんて夢にも思いませんでした。それもこれも人との出会いが一番大きいような気がします。勉強は二の次で、人との出会いが次の道を作っていく。不思議です。
ただただ、好きな事を追いかけていたらこういう仕事の形になった。それを応援してくれるたくさんの人に恵まれています。
これからもまた違う事を見つけたら真剣にやるんだと思います。先が想像できないから面白くもあり、怖くもなる。でもその途中で出会う人がいて道が開けてくる。この繰り返しで、少しずつですが前に進んでいるように思います。
私が大切にしている事はいろんな場所に転がっているなーと、旅を通して気付かされます。