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毎日は儚くて。

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おばあちゃんが天国へ旅立って行った。世間では大往生と言える年齢なのだけど悲しくて切なくて、涙はあふれる。おばあちゃんには亡くなる直前に会えたし、自分なりに感謝の思いをいつも形にして来たと思うので悔いは無い。
涙があふれ過ぎて次の日は人相が変わったけど、心にはいつも素敵な風景が残っている。
私が写真を始めたのは、こういうことを残したいからなのかもしれないと改めて思う。
この写真を撮ったのはきっともう15年以上前。
おばあちゃんは庭の手入れをしている。
そして娘達(母と叔母)は窓辺の陽のあたる暖かいこたつでミカンを食べている。私はシャッターを切った。
今はもうこの家はない。この庭も無い。
こたつでミカンを食べることも無い。おばあちゃんもいない。
悲しいけれど、その時のわたしはシャッターを切った。そしてその予感があったのだと思う。
写真を撮るというのはそういうことだから。
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毎日は儚い。だからこそ、私はそれを永遠にしたいと印画紙に焼き付けている。
それは産まれて来て、日々の何でも無い生活があって、終わりがあって、また繋がって行く不思議を、ただただ私が残すことの出来る方法で掬いとることが写真だったのかもしれない。
そして、いつもありがとう。おばあちゃんがいなければ私はこれを残すことすらできませんでした。

最後に会いに行った時の、いつものイタズラな表情が忘れられません。

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